陰陽屋 終。
最終話を観なおして、改めて終わっちゃったんだなぁ…って実感。
終わっちゃったんですね…。
あまちゃんロスならぬ、陰陽屋ロス状態で、未だに終わってしまったことを受け入れたくない自分がいます。←重症。
しかしお話としては、最終話なのに仰々しくない、“陰陽屋らしい”ノリと軽妙さを貫いていて、それがまず嬉しかったです。
相変わらず良くできたドラマでした。
うまくまとめられそうもないので、思いついたことから。
今回も良いシーンが沢山あってどっから手をつければいいのか…って感じです。
放送終了直後にも書きましたが、今回は亮ちゃんの持ち味が存分に発揮されていたと思います。
本当にありがたい!
特に源次郎さんと祥明さんとがカラむシーンは、二人の関係性上、祥明の微妙な心理が垣間見えるところが多いわけで、そんな繊細な芝居させたら、亮ちゃんホントに素晴らしいんだもの。
冒頭、源次郎さんに「で、お前はどうするんだ?」と問われて「どうするんでしょうね…?」と返す何とも言えない自嘲的な笑み。
“儀式”の後、源次郎さんに一礼する前後の表情。
「ええ」って言った時のちょっとぎこちない笑顔と、源次郎さんと見つめ合った時の沢山の感情を秘めた表情、そして深々と頭を下げて、顔を上げた時には、いつもの祥明らしい飄々とした雰囲気に戻ってる。
この三段活用には、もう、祥明さん好き!ってなりました。
あのシーンって、セリフほとんどないじゃないですか。
「おう、上手くいったか?」
「ええ」
たったこれだけで、あとは全部表情と仕草なんですけど…。
あのたった数十秒間の空気感だけで、他人が割り込めない、二人だけの奇妙な信頼関係が全部表現されてるんです。
見透かされるとわかっていながら、何も語らぬ祥明と、
全て察した上で、あえて何も言わない源次郎さん。
切なくてかっこよくて、シビれました。
そして泣きました。
何度観ても泣けます。
最後の「かっこつけやがって…」も素敵でした。
二人の、あの“あ、うん”感は全編通してスバラシかったなぁ…。
同じくらい良かったのが、例の儀式のシーン。
瞬太の「祥明はそんなことしないよ」の段階で、もう涙腺壊れかけましたけど、
「キツネくん、これでお別れだ」
こっからの祥明さんが良かった~。
徹底的にヒールでいようとする祥明さんが泣ける、泣ける。
「本当に薄気味悪い商店街だ」
コレですよ!
この時の、悪役っぷり。
涙・腺・崩・壊。やめたげて。泣。
でさ、でさっ!! この町から出て行けと言われて「もともとそのつもりでした」なんつって嫌味っぽく頭下げて神社から去っていくあの後姿が、堂々としているのに何とも寂しげじゃないですか。
違うの!待って!
みんな、祥明さんをもっと信じてあげて!!号泣。
↑TVの前で感情移入しまくりなヒト。祥明さんかっこよすぎる…。
最終的には、ちゃんとまっきーがネタばらししてくれましたけどね。
この幼馴染コンビもバランス取れてますよね。
まっきーと祥明の関係も好きでした。
「お前しか頼めるやついないんだよ」な祥明さん。
友達、少なそうだものね…。
唯一の友達って言われとるし。笑。
けむたそうにしつつも、祥明にとっては特別な友達なんでしょうね。
まっきーに救われたチビ祥明さんを想像すると、それもまたなかなか泣けてくる……けど、ものすごく可愛い。悶。
ところで、路子先生が、祥明が教えてくれたと言っていたこの言葉、
「なんだかよくわからないけど、みんなが幸せならそれでいいじゃないか」
でもさ、祥明はどうなんだろう?
祥明は安倍家を継いで幸せなだったのかな?
ふと思ってしまった。
祥明的には、瞬太くんの家族や商店街の人たちの温かさは、さぞ羨ましかったでしょうねー。実家との対比を考えると、切なくなります。
だから瞬太たちからそういうものを取り上げたくなかったのでしょうが…、
けど、私は、単に瞬太くんや商店街の人を想って、というだけじゃなくて、祥明自身があの商店街との関わりを通して、自分のやるべきこと…というか、できることを見つけたんじゃないかなって。
そんな風に想いたいですね。
祥明にはあまり“自己犠牲”の精神がある人にはなって欲しくない気もしますし。
というか、それでは一人を犠牲にしてみんなが幸せになるみたいで、そういうのはこのドラマのテーマとは違う気もするので。
祥明がどんな風にしてあの家を出たのかはほとんど描かれていないので想像するしかありませんが、祥明はずっと目を背けていた自分の家柄やらしきたりやらと、ちゃんと向き合えるようになったんじゃないかな。
きっとあの記者からはキッチリ報酬もせしめたんでしょうし、彼は彼なりに旨い汁を吸ってるって方が、陰陽屋らしい気がします。
最後のシーンがあの笑顔ですしね。
と、これは私的見解ですが。
唯一、これは好みの問題なのですが、最後のおばあさまの「~見つからなかったのですから」のくだりは、どうなんでしょう?
なんとなく、あの二人の関係はまだ多少ギスギスしていても良かったんじゃないかなって思ったんですよね。
完全に好みですが。
ああいう風に終わった方が、丸く収まった感はありますけどね。
祥明はあの一匹狼な感じがかっこいい気がするので、内輪に味方がいないほうが引き立つんじゃないかなぁっていうのは、贅沢な話かな。
「陰陽屋へようこそ」からの胡散臭い笑顔っていうラストは、ベタだけど、そのベタな感じを最後まで貫いたなーって感じで、潔かったですよね。
最近のドラマは変わったことをやりたがるのが多くて、何でも変わってりゃ良いってもんじゃないだろ!って思ったりしますが、王道な展開でもここまで面白く作れるんだぞっていうお手本みたいなドラマだったように思います。
本当に面白かった…。
あ、書き忘れるところでした。
路子先生と祥明さんの焼き芋攻防戦、なかなか可愛くてツボでした。
「焼き芋食ってる場合じゃないんだ」
こういうセンスはすごく好き。
先生焼き芋全然食べれない…。笑。
この二人も、やはり白黒つきませんでしたね。
結構くっついて欲しかったって意見もあるみたいですけど、私的には煮え切らない感じが良かったかなって思います。
案外、祥明さんは自分のことには不器用なんでしょうね。
あ~あ、本当に終わっちゃったんですか?
スペシャルとかさ、ねぇ、なんでもイイよ?(←まだ言ってる。)
とりあえずは、来年、DVD届くのを楽しみに待ちます…。